「速読を身に付けたいけど、どうすればいいのかわからない。そもそも早く読めたとして理解できるのだろうか?もし理解できるなら、やり方をざっくりでも知りたい。誰でもできる方法があるなら知りたい!」
当記事はそんな速読を身に付けたいけど、どうしたらよいかわからない。という人向けの記事です。
こんばんは!
函館在住の読書無双ブロガーの、シダユウ(@araShidayuuKi)と申します!
今日紹介する1冊はこちら↓↓
『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出 雅巳
本書は「30分で1冊読めるようになる速読のコツや速読のデメリット」を紹介しております!
前回の記事(速読の極意、それは戦略的に本を読むことである!)で紹介した「速読の技術」については、すぐに身につくものではありません。
色々な本で速読を実践することで、少しずつ理解できるようになり、読んでいる実感が湧くようになります。はじめたばかりでも大丈夫!練習あるのみです。
速読と一言でいっても、それぞれやり方が違います。前回の方法とは多少異なっているので、本書で紹介している速読の技術についても、ご紹介していきます!
さっそく見ていきましょう!
Contents
速読ができるようになる、1つ目のポイントとは
学校で習う本の読み方だと、頭の中で音読して1文字1文字を音にして読むというものでした。
このことを「黙読(もくどく)」と呼びます。
そして実際に声に出して、教科書を読む方法を「音読(おんどく)」と呼びます。
本を読むときに黙読をしてしまうのは、こういった影響が少なからずあります。
実は、この音にしてしまう行為こそが、速読の一番の敵であり、してはいけない行為となります。
つまり速読の基本的な読み方としては、頭の中で音読せずに「流しみる」というものです!
これが1つ目の速読のポイントです!
でもね、最初から理解しようとすると普段の読書と変わらず、じっくり見てしまう。。
まずは全体を把握すること、を意識して見るようにするんだよ。
速読ができるようになる、2つ目のポイントとは
速読ができるようなるための2つ目のポイントは、「ストックを増やす」ことです!
ストックとは、知識・情報・経験のことをいいます。
ではストックを増やすこと、とはどういうことか?
ほら、自分の好きなジャンルの本だとサクサク読めることってあるよね?
ルフィがゴム人間になった経緯って知ってる??
それもひとつのストックなのよ。
ルフィは「ゴムゴムの実を食べたからゴム人間になった」っていう記憶のストックがあると、ワンピースの面白さはどんどん広がるし、楽しく理解できるのよ!
本書では、各所にこんな見やすい図が用意されております↓↓

本書の例では、歴史の知識がある人が、歴史の本ならすでに理解している内容も多いため速く読める、と紹介しております。
簡単に言っちゃえば、ストックをすでに持っている内容の本であればそれだけサクサク読める、ということです。
じゃあそのストックを増やすためには、何をしたらいいのか?
本書ではストックを増やすために速読することをオススメしています!
ストックを増やすためにも速読がオススメな理由

なぜ速読ではストックが重要なのか
速読の講習やトレーニングで挫折した経験をもつ著者は、
速読とは、頭に蓄積されたストックの量で決まる。
過去に受けた速読の技術のワナとは、ストックありきであるということが言われていないこと。
と伝えています。
以下の図で見ていただくのがわかりやすいでしょう↓↓

つまり、なんども繰り返し読んでいくことで、少しずつ言葉の記憶がたまっていくということ。繰り返せば繰り返すほど、言葉の数が増えていき、ストックになっていくということ。
本書での速読の基本技術は、30分の間に1冊を3回転ほど見ていく流れとなります。
- ざっくりと見出しを探していく(1回転目)
- 見出し+その周辺を探していく(2回転目)
- 見出し+その周辺+気になるポイントを探していく(3回転目)
下記の図では、繰りかえし読むとストックの量が増えることをわかりやすく説明してくれています↓↓

本書で紹介している速読は「高速大量回転法」と名付けられております。
その名の通り、なんどもなんども見ることを繰り返すことによりストックを増やす、速読の技術です。
ではその高速大量回転法を習得するには、どのような手順で進めればいいのか?
「高速大量回転法」の速読技術のポイントとは
高速大量回転法の行程は4つに分けられます。
- 目次を2分で5~10回転を目安にみる
- まえがき・あとがきを5~6分で10回転を目安にみる
- 全体を5~6分で3回転を目安にみる
- 全体を15分で細部をみる
時間配分に関しては書いた通りですが、①〜③を前半の15分、④を後半の15分と2段階にわけて考えましょう。
ポイントとしてはわからないところで止まらない!ことです。
止まって読み込んでしまうと、速読のメリットを失ってしまいますからね。
わからないところはわからないまま飛ばしていきましょう。
繰り返していくうちに段々と理解できるようになります!今は不安かもしれませんが、しっかり無意識の中に記録されているのでご安心を!

前半の15分で全体像を把握する
正直なところ、高速大量回転法って名前だけあって、はっきりいって読んでませんw
ってかパッと見るだけなので読めませんw
読もうとした段階で、2分で5~10回転なんてできませんからね。。
なので、読もうとせずひたすら字を追うような感覚です。
全体を把握するメリットとしては、教科書でいうところの答えを知ることです。
全体像を把握することは、その本の内容や伝えたいことが理解できるということです。
前半の15分では「自分が知りたいこと」や「本が伝えたいこと」を把握することを意識しましょう。
後半の15分で気になる箇所に入っていく
前半の15分で全体を把握できたら、今度はより深く理解するために「知りたい箇所」をじっくり読んでいきます。
とはいえ、あまり把握できなかったとしても進めていくうちに少しずつ把握できてくるので大丈夫です!
この後半の部分に関しては、速読を意識するのではなく「理解すること」を意識してください。
ページごとに気になる箇所がきたら、じっくり読む、、また気になる箇所がきたらじっくり読む、、を繰り返すのです。

ここで合計30分が経過したので、本当に理解できているのか?という不安を解消することで本当に読めている!と実感できると思います。
ですので、読み終わったらどんな内容が書いてあったのか?を思い出しながらノートに書き出してみてください。
時間は長くても15分で区切りましょう。5分もしくは10分でも構いません。

記憶は「失敗」と「繰り返し」により強化される
なぜ、ただ繰り返し見るだけで理解できるようになるのか??
私もこの疑問にぶちあたりました。
その理由は脳の構造にある、と東京大学で脳の研究をしている池谷博士が語っております。
記憶とは「失敗」と「繰り返し」により形成され、強化される。
つまり「悩んで、たどり着いたという状況の流れ」がある方が、記憶に残るということ。
ここでの失敗とは、「理解できないこと」を理解することです。
テストの答えを見たとして、その答えに行きつくまでの流れがわからないと、いつまで経っても問題が解けないのと一緒です。
この高速大量回転法は、この「失敗」と「繰り返し」をうまく利用した記憶術であるといえます。
理解できない部分がでてくると、「なぜ理解できないのか?」と疑問がうまれてくる。
だからこそ、理解できない理由を知りたくなりますからね。
下記は、じっくり派(黙読)とざっくり派(速読)を資格試験の合否にたとえて比較した図です↓↓

細部だけ読んでも、全体として理解ができずに、時間だけがかかってしまい、結果として試験に合格できなかった、というストーリーです。
たとえとして、カレーを作るにしても、全体の行程がわかっている人と、そうでない人が作るのとでは、時間のかかり方も、出来栄えも全然違ってくる、というのと同じです。
ですので、全体をまずは読みに行く速読の技術の方が、じっくり読むよりも優れている、と言えますね。
まとめとして
『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出 雅巳
いかがでしたでしょうか??
以下はまとめとして
- 速読のポイント①は文字を音にしないこと
- 速読のポイント②はストックを増やすこと
- ストックを増やすためにも速読がオススメだということ
- 速読の技術としては2段階に分ける
- 前半15分は全体を把握するために見る
- 前半部は短時間で各5回転以上を目安にする
- 後半15分は全体を見ながらも知りたいポイントをじっくり読む
- 30分で全て理解するのではなく、もっと読みたいと感じた部分にはさらに時間をかけて読んでよい。
- あくまで30分は目安であり、目標であるということ。
- 目のトレーニングは基本的には必要ない
- 本を一度きりのものにせず、思い立ったらまた読みかえす習慣をつくる。
本書には上記の内容以外にも
- 速読の講座に通わなくていい理由について
- 速読をダメにする理由について
- 「勘違い速読」とフォトリーディングについて
- 「検索速読」とレバレッジ・リーディングについて
- 積読と併用した時間をかける速読について
などが書かれています。
下記は本書に掲載されている高速大量回転法を図にしたものです↓↓

高速大量回転法は読書だけでなく、試験勉強としても有効に使うことができる技術です。
ですので、もっと詳しく知りたい方は、本書を読んでみることをオススメします!
本書を別の切り口で書評しているブログもご紹介します!!
毎日1冊の書評を書いている「柿田ピントさん」のブログは非常に参考になりますので、ぜひこちらも参考にしてみてください!
【目次】
チャプター1 内容を「知っているから」速く読める
チャプター2 「高速大量回転法」で速読を実現!
チャプター3 30分あればどんな本でも速読できる
チャプター4 効率性を重視しすぎる「危険な読み方」
チャプター5 速読が本との出会いを広げる